収束する?

\lim_{n\to\infty}\sum_{k}^{n} \sin(c_1k + c_2)(ただし、c1とc2は任意の実数)

さて、この式は収束するでしょうか?収束するとしたらその数はいくつでしょうか?これ、数学的に厳密に解くには激烈に難しい(はず)だが、物理屋さんは当たり前のように「0」として扱ったりします。(但し、c2!=c1かつc1=2π(の整数倍)では発散)弦の振動を考えたりした場合、「波長と弦の長さが整数比以外は打ち消しあって消える」と考えるからです。まあ、数学屋さんにしてみればいい加減このうえないでしょうね。でもこれ、否定されると量子力学の殆どがひっくり返ったりします。さてはて、よいのでしょうかね?というわけで、ちょっとだけ数学的にも考えてみちゃいましょう。
まず、簡略化の為に、c2を0、c1を2πCとおきましょう。

\lim_{n\to\infty}\sum_{k}^{n} \sin(2\pi ck)(ただし、Cは任意の実数)

まず、cが整数の場合は問答無用で0になることはすぐにわかると思います。次にcが有理数の場合を考えて見ましょう。つまり、任意の整数abを使って、c=a/bとする。この場合はどうか?ちょっと考えればわかると思いますが、nを1〜bまで足したら0になります。また、b+1〜2bもやはり0になります。2b+1〜3bも・・・・てことは全部足したら0か!?!?と言ったら数学屋さんに叱られてしまいます。確かにb単位で足していったらそうかもしれませんが実際にはその中間状態も存在するのです。だから単純にまとめて足して0だから細かく足しても0なんていえないんですよ。まあ、∞がbの倍数だったらいいんですけどね。結局これは収束せずに(広い意味で)振動しているんですね。
では、最後にcが無理数ならどうか?これ、私には難しすぎて綺麗な答えが出せないのですが、一応がんばってみます。まず、任意の無理数cについて、任意の自然数nを掛けた値の小数部分は0〜1の間を一様に分布する・・・という定理があるらしいんですよ、確か・・。まあ、確かに直感的にそんな気がしますよね?(ぇ てことは、

\lim_{n\to\infty}\sum_{k}^{n} \sin(2\pi ck) = \lim_{n\to\infty}\int_0^{2\pi} dx \sin( x ) n

になると思いません!?!?(ていうか思って)ということはこれは0に収束するのでは!?!?・・・まあ、そんな単純じゃぁないとはもちろんおもいますけどね。所詮、物理屋さんが頑張ってもこの程度ということで(ぉ