めっしー氏は肉が嫌いである。もちろん嫌いな食べ物など誰にでもあるものだからそんな事実など普通は道端の石ころ程度の存在であるが、彼の肉嫌いはそんじょそこらの石ころとは比較にならない。普通、嫌いと言ってもそれなりの事情があれば我慢して食べるものであろう。彼は違う。とことん食べようとしない。「肉食か死か」といえば迷わず死を選びそうな勢いである。
まあ、それでもそれが原因で損をしようとめっしー氏の人生なのだから放っておけばよいのだが私のおせっかいがそれを許してくれない。というわけで、強請・・じゃなくて矯正しようとがんばってみた。
まあ、よく考えてみれば、よく考えるまでもなく私に勝ち目などなかった。敗因は大きく二つ存在するが、まず、そもそもめっしー氏自身が現在の状況を悪いこととは全く思っておらず、食べられる状況になりたいとは微塵も思っていないのだ。やる気のない学生にラーニングさせるほど教師にとって大変な仕事はない(多分ね)。こういう場合はまず、事の重大さを説明し、理解させることからは始まる。で、ここで第2の敗因が・・・。
嫌いなものでも食べられるようにする必要性を説明しきれなかった。
肉が食えないことで損をすることくらいならいくらでもある。食の楽しみが激減するとか食べにいける店が激減するとか取引先との食事で大量に残しているのを見られて契約破棄になるとか(んなことあんのか?)彼女が作ってくれた手料理が肉料理であったがために食べられなくてフラれてしまうとか(なんや生々しいなぁ)。まあ、損であっても決定的ではない。無駄な努力で頑張れば避けられない事実とは言い切れない。実際、めっしー氏は食以外にいろいろと楽しみを持っているし(何とはあえて書かない)肉のない料理を食べられる場所を知っているし(何処とはあえて書かない)、肉に変わる蛋白源も一応あるし(納豆とか納豆とか納豆とか)、まあ、確かに致命的な問題点があるわけではない。
「何でも好き嫌いなく食べられないのは幼稚だ」という考えはもう古いのかもしれない。