熱伝対

2種類の金属の線を端同士をつないで輪にします。そして、2つある接続部分の温度を変えます。そうするとあら不思議、輪に電流が流れます。温度差が大きければ大きいほど流れる電流も大きくなります。実際にこれを発電として使っていることは稀ですが応用例はいろいろあります。一番よくあるのが温度計。2つの接合点の温度差の関数として電位差が生じるのだから、片方の温度を固定しておいて(例えば氷水に浸しておけば0℃に保てる)もう片方を温度を測定したい場所において、あとは電位差を計ってみればよい。デジタルの温度計でよく使われてます。片方の温度をどうやって固定しているかはしりませんが。
さて、これを逆に利用する方法もあります。つまり、温度差で電流が発生したのだから電流から温度差を生じさせられるのではないか?という発想もあるでしょう。実際、可能です。輪に逆向きに無理矢理電流を流したらどんどん温度差が広がっていきます。つまり、片方が熱くなって片方が冷えていきます。これも既に実用化されていて、CPUクーラー等に使われていたりします。
これの原理は簡単に説明すると、電流が流れるということは中で電子が逆向きに移動している。しかし、種類の違う金属だと1電子当たりの熱容量が違う(つまり運べる熱量が違う)ので、全体としては電流方向の逆向きに熱を運び、同じ数の電子が動いているのだが、運んでいる熱の量が違うために温度差が生じるのだ。
んで実際のCPUクーラーに構造が書いた説明書が同封してありました。それをみると、2種類の金属の代わりにN型とP型の半導体が使われていました。N型というのは少量の電子が入っていてそいつが流れますが、P型は電子が殆ど埋まっていて流れるのはその電子のない場所が逆向きに動いているように見えます。水中の泡を想像してくれればいいと思います。あれは泡が上に進んでいるというよりは水が下におちて開いた部分が上に言っているように見ることができると。(実際は空気が入っているから正確ではないのだが) さてココで問題が発生した。N型の方は別によい。普通に電子が流れているのだから。しかしP型の方はどうだろうか?まあ、電子が流れていると言えば流れているのだが、しかしビジュアル的(何)には、プラスの粒子が逆向きに流れているのだ。だから電流の向きに熱が流れるのではないだろうか?という意見があるのだ。実際にそう考えるとわざわざ半導体を使う意味がわかる。さてはて、実際にキャリアの符号によって熱流動の方向が変わるのだろうか?


まあ、実際に実験してみりゃいいんだけどね。