多次元極座標

極座標とは、動径の長さ(原点からの距離)とその方向(角度?)で表す座標系のことです。厳密な定義は知らんけど多分遠くは無いはず。普通の正規直交座標の次によく使われるんじゃないかと思われる座標系です。
とりあえず、2次元の場合
y = r sin \theta
x = r cos \theta
ですね。3次元の場合は
z = r cos \theta
y = r sin \theta sin \phi
x = r sin \theta cos \phi
ですね。
極座標は一意に限定できないのですが(例えばxとyが逆でも問題ない)一般的には上記の形がよく用いられると思います。ただ、私が思うにxとyの表記は逆な方がいいんじゃないかなとよく思います。その理由を以下に書いて見ます。

まずはさらに高次元な座標系を極座標で表してみます。手始めに4次元の場合
x_4 = r cos \theta_1
x_3 = r sin \theta_1 cos \theta_2
x_2 = r sin \theta_1 sin \theta_2 sin \theta_3
x_1 = r sin \theta_1 sin \theta_2 cos \theta_3
となります。文献が見つからなかったので一般的な形じゃないかもしれませんがまあ間違いではないです(^^;
どうやって導いたかというと、まずは新しい次元(今回の場合第4次元)の軸との角度をΘ1として軸の射影成分をとって新しい次元の成分ができます。他方、新しい次元の軸と直行する部分空間にも射影させます。この部分空間は1次元だけ低いので、前の次元での極座標を適応させます。これで完成です。このように極座標再帰的に生成できます。
この方法を利用して一般n次元空間での極座標を表すと
x_n = r cos \theta_1
x_{(n-1)} = r sin \theta_1 cos \theta_2
x_{(n-2)} = r sin \theta_1 sin \theta_2 cos \theta_3
x_{(n-3)} = r sin \theta_1 sin \theta_2 sin \theta_3 cos \theta_4
・・・・・・・・・・・
x_2 = r sin \theta_1 sin \theta_2 sin \theta_3 \dots sin \theta_{(n-2)} cos \theta_{(n-1)}
x_1 = r sin \theta_1 sin \theta_2 sin \theta_3 \dots sin \theta_{(n-2)} sin \theta_{(n-1)}
となります。
ちなみにこの方式で3次元を表すと
x_3 = r cos \theta_1
x_2 = r sin \theta_1 cos \theta_2
x_1 = r sin \theta_1 sin \theta_2
となり、x(x1)とy(x2)が逆になっている。こちらのほうが(数学的に)一般的な気がするんだけどどうしてなんでしょうね?

と思っていたらこの記事書いているうちに理由がちょい分かった気が(^^;
最後のΘ(n-1)はちょい特別で軸からの角度になっていない。例えば他の角度は定義域0〜πなのに対してこの角度だけ0〜2πになっている。なんでかというとx2の方は0〜πで十分だがx1は0〜πだと正か負かがわからない。つまり方向も含めてしまっているから0〜2πが必要なのである。
つまり、方向も含めた角度ということは先程の式は厳密には正しくない。このあたりまで厳密に書いてみると
x_2 = r sin \theta_1 sin \theta_2 sin \theta_3 \dots sin \theta_{(n-2)} cos \theta_{(n-1)}
x_1 = r sin \theta_1 sin \theta_2 sin \theta_3 \dots sin \theta_{(n-2)} sin \theta_{(n-1)} cos \theta_n
となる。ただし最後のΘnは0とπしか値を持たない。つまりは正か負かだけです。
しかしこれはこれでヘンテコで、自由度が一つ増えてしまっている。ので座標変換としては誤り。

とはいえ、xとyとを逆にする理由というのは結局思い浮かばないわけで(^^; 多分、慣習なんでしょうね。