振り子と重力

昨日、ぐうたらとテレビを見ていたらとあるクイズ番組にてこんな問題が出ていた。

振り子が振れている状態で重力が倍になるとどうなるか?

物理的直感が働く人ならなんとなく速くなるんじゃないかな?と思うだろうが、確かに速くなる。重力が増えるのだから加速度も増え、振り子の重りの加速・減速ともにはやくなり周期は短くなる。
定性的解釈は番組でもやっていたが定量的にはやっていなかった。まあ確かにバラエティ番組でそこまで知的にやっても仕方がない。しかし気になったのが「速さが倍になる」という解答があったのだが、実は正しくない。これは直感的にはわかりにくいのでちょいと定量的なことをやってみようかと(^^;

・・・とは言っても図も描けないしいきなり結果の式を書いてしまえ(ぉぃ
T=\frac{2\pi}{\omega}=2\pi\sqrt{\frac{l}{g}}
ここで、Tは振り子の周期であり、一往復するのにかかる時間である。lは振り子の紐の長さ、gは重力加速度である。普通は重力加速度は定数なので振り子の周期というのは紐の長さだけで決定される。重りの重さや振れの大きさは無関係。なんとも不思議〜(ぇ
んで、今回はその普通でない状況で重力が倍になった場合の話。重力が倍ということは重力加速度も倍。ということで・・・
T'=\frac{2\pi}{\omega'}=2\pi\sqrt{\frac{l}{2g}}
\frac{T'}{T}=\frac{1}{\sqrt{2}}
ということで周期は√2分の1になる。速度にしてみれば√2倍。というわけで2倍までは行きません。
だからどうしたと言われればそれまでなのだが、折角だからエネルギーからの視点でも。
最上点で位置エネルギー最大かつ速度0、最下点で位置エネルギー最小かつ速度最大である。そこからエネルギー保存の式を書くと
mgh=\frac{1}{2}mv^2
ここでmは重りの質量、gは引き続き重力加速度、hは最上点と最下点の高さの差、vは最下点での速度である。これをvについて解くと
v=\sqrt{2gh}
となる。そして重力を倍にしてその速度を比べると
\frac{v'}{v}=\sqrt{2}
というわけでめでたく√2が出てきました。



だからどうしたと言われれば・・・勝手にしてください(ぉ