苦情対策

なんとなく思い出話。

よく行く商店街に自転車で行ったときの話。いつもの道の脇に止めようとしたら声をかけられた。「ここに止められると迷惑だという苦情が来てますので、向こうにある駐輪所の方へお願いできますか?」という商店外の人からの移動願いだ。

残念ながらこの商店街の苦情対策は適切とは言えない。理由を挙げるといくつか出てくるが一番大きいのは自転車を利用する側の意見を聞いていないからだ。駐輪スペースを制限されれば当然自転車ユーザは不便を強いられる。不便を強いさせてまで食い止める必要がある迷惑度合いなのか、そのあたりを議論してから対応すべきなのだ。

同じ様なことはいくらでもある。タバコ、携帯電話、看板の設置・内容、ペット、音楽(騒音)、レクリエーション(ボールなど飛ぶものがある場合等)、etc。おおよそ苦情と呼ばれるものはそれに対応する人がまず間違いなくいる。苦情に対応する場合は必ずその原因となっている人たちの意見を聞く必要がある。
そう考えると苦情対策は即時対応というのは難しいのだ。「煙たいからあの場所は禁煙にしてくれ」という苦情で次の日に禁煙になっていたらそれは適切に対応しているとは到底考えにくい。喫煙者の意見を聞いているとは到底考えられない。禁煙者からみれば迅速な対応だと感嘆するかもしれないが喫煙者からみれば一方的な処置だろう。
苦情というのは迷惑と感じている人からしか出てこない。現状維持をいちいち言う人はいないだろう。なので苦情をただ聞くというのはどうしても一方的になる。苦情件数がいくら多くとも、その苦情を通す為に強いられる人の数やその内容如何によっては却下というのは十分にありうるものでしっかり議論、説明が必要である。

本当は苦情を出した側、出された側が話あうのが一番よい。が、普通は自分優先になるので相手の都合まで総合的に考えて結論なんて第1者や第2者が出すのは至難の技。結果、第3者を行政や司法等がやるわけだが、両者とも納得というのは難しく、そうなると行政や司法が叩かれるという・・・。


結局、あの商店街の自転車騒動がどうなったかは知らないが多分解決していないんじゃないだろうか。少なくとも自転車側の負担はかなり大きいので例え駐輪禁止したところで違法駐輪は減らないだろう。駐輪が迷惑と主張している側が何がどの程度迷惑なのがはっきりしないうちは解決不能でしょう。ひょっとしたら駐輪禁止以外の解決策もあるかもしれないしもうちょっと仲介がしっかりすべきだと思いました。